コンサルティングの基礎

【初心者必見】戦略コンサルと総合コンサルの違いについて徹底解説!

コンサルタントのイメージ
この記事では、戦略コンサルタントと総合コンサルタントの違いについて、仕事内容や思考方法、選考面に焦点を当てて解説します。

最近は「〇〇コンサルタント」という肩書が増えており、具体的にどんな違いがあるか理解できていない人が多い印象です。

中でも、「戦略コンサルタント」」と「総合コンサルタント」は業務内容や対応領域が異なりますが、混同して認識されることもあります。

この記事は、コンサルティング業界に興味があり、職種研究を進めている人にぜひ読んでいただきたい内容です。

特に「戦略コンサル」と「総合コンサル」の違いがよくわからない人は、両者の違いを理解するためにおすすめできる内容のため参考にしてください。

戦略コンサルとは

戦略コンサルのイメージ
戦略コンサルタントとは、事業戦略や新規事業立案といったビジネスの超上流工程において企業の選択肢を導き出す仕事です。

ビジネスの「超上流工程」とは、「既存事業を成長させたいが何をすれば良いのかわからない」というように、そもそも何をすべきか?を検討・決定する段階を指します。

この工程で決定した方針をもとに、「どうやって実現すべきか」を検討・決定するのが上流工程システムなどを用いて「実際に実現する」段階のことを下流工程と区分けします。

上記のような超上流工程を支援する戦略コンサルは、答えがない中で道筋を作っていきます。

具体的には、クライアントへのインタビューや業界情報をもとにした仮説立案と検証、クライアントとの議論を繰り返すのが仕事の流れです。

主なカウンターパートは企業の経営層で、納得してもらうための高い思考力とコミュニケーション力が要求されます。

また、超上流工程で決定する事業戦略などは中長期的に答えが見えてくるため、短期的な成果にはこだわらず中長期的にクライアントが売り上げ・利益を伸ばす構図を目指します。

よって、支援するプロジェクト自体は短期間で終わりますが、クライアントと長期的な関係を築きながら意思決定のたびに支援を行うというように、参謀的役割を果たすことが多いです。

総合コンサルとは

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総合コンサルは、戦略立案などの上流工程から実行支援などの下流工程まで企業を包括的に支援することが仕事です。

業務オペレーションの改善やシステム構築、人材育成など扱うテーマは多岐に渡ります。

戦略コンサルのような超上流工程に参画することもありますが、どちらと言えば戦略が決まった後の実行フェーズに携わる機会が多いです。

ある程度の方針が決まったうえで、実現するために必要なあらゆる支援を行っていくことが総合コンサルの特徴と言えます。

また、プロジェクトの実行支援を行うPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)機能を担う案件が多いことも特徴です。

多数のメンバーもしくは開発会社などをマネジメントしながらプロジェクト推進を支援するため、「クライアントに伴走する」サービスを長期的に提供していくことが多いと言えます。

戦略コンサルと総合コンサルの違い

相違点
ここまで、戦略コンサルと総合コンサルがそれぞれどのような仕事かを説明しました。

両者を比較すると大きな違いがあるため、ここからはその違いにフォーカスをあてて説明していきます。

コンサルティングのサポート範囲

1つ目は、サポート範囲の違いです。

総合コンサルファームは、業界や領域を多岐に渡ってカバーすることで文字通り企業の課題解決を総合的に支援します。

一方で、戦略コンサルファームは事業戦略など超上流工程に特化しており、システム導入や業務改善といった領域には関与しません。

何でも支援できる総合コンサルファームと、特定領域に特化した戦略コンサルファームというように両者が得意とする範囲は大きく異なります。

コンサルタント個人として見ると、総合コンサルは業界や機能ごとに区分けされ、1つの領域に特化したキャリアを歩むことになります。

一方で、戦略コンサルファームは超上流工程の中で業界問わずに関与するキャリアです。

業界が変わると必要な情報が全く異なるため、戦略コンサルは幅広く経験を積めると言えます。

コンサルタントとして要求されるスキル

2つ目に、要求されるスキルの違いがあげられます。

戦略コンサルは、初期段階での仮説や検討ポイントを導き出すためにあらゆる思考を行うことが特徴です。

考えること自体に多くの時間を費やし、導き出した示唆にどれだけの価値を持たせられるかが勝負となります。

戦略コンサルが関与するのは正解の見えない超上流工程であることから、必要最低限の情報を集めたうえで徹底的なディスカッションを行い、クライアントを納得させる仮説を作ります。

この際、ロジカルシンキングはもちろんのこと、フェルミ推定やフレームワークといった思考方法を用いるため、高い思考力が要求される仕事と言えます。

一方で、総合コンサルはロジカルシンキング、資料作成力、対人コミュニケーション、マネジメントスキルなど幅広いビジネススキルが求められます

「実行支援」を行う案件が中心となるため、多くのメンバーや関連会社をマネジメントする能力や人を動かすためのコミュニケーション力、資料作成力が必要です。

思考力ももちろん必要とされますが、限られた情報で即断即決するような判断力が求められる場面が比較的多いと言えます。

戦略コンサル・総合コンサルの選考の特徴

面接を受ける男性
ここまで、戦略コンサルと総合コンサルの仕事内容および求められるスキルの違いを説明してきました。

これ以外に、選考にもそれぞれの特徴が表れています。

この記事では筆記試験と面接に分けて特徴を説明しますが、会社ごとに選考内容が異なるため、記事を読んだ後に情報収集を行ってみてください。

戦略コンサルの選考の特徴

戦略コンサルの選考は、「各社ごとの特色が色濃く表れている」のが特徴と言えます。

筆記試験では、SPIをはじめとする一般的な問題に加えて、各社のオリジナル問題が出題されるケースがあります。

一般的な問題であっても、合格基準が高かったり、通常の試験と比べて回答時間が短くなっていたりと千差万別です。

オリジナル問題は多種多様ですが、思考のクセを見抜くために各社独自の判断基準を設けることが多いように見受けられます。

面接は、ほぼすべてケース面接となります。ケース面接は、「コーヒーメーカーのコスト改善策」というようなお題に対して自分なりの策を伝えるスタイルです。

提案した策の実現可能性や期待できる効果はもちろんですが、論理的思考力やコミュニケーション能力、面接官からの指摘に対する受け答えなど様々な観点からコンサルタントとしての素養を評価されます。

総合コンサルの選考の特徴

総合コンサルの選考は、「一般的な選考スタイルに一部コンサルティング業界特有のエッセンスを取り入れている」ことが特徴です。

筆記試験は、SPIやTG-WEBといった一般的な問題が出題されます。

会社によって出題される問題の種類に差はあるものの、他業界でも使われる問題を使用しており、各社ごとのオリジナル問題は出題されません。

面接は、通常面接を基本として1回程度ケース面接を挟むことが多いです。

通常面接では、戦略コンサルよりも志望動機や入社後のビジョンなどが重点的に質問されますが、一般的な面接対策を積んでおけば対応可能と言えます。

ケース面接の進め方は戦略コンサルと同様ですが、戦略コンサルほど高いレベルを要求されることはありません。

「自分なりの答えをロジカルに定義しているか」「検討プロセス自体を楽しんでいるか」というように、コンサルティングの現場で違和感なく働けるかに主眼を置いた評価をしています。

まとめ

ここまで、戦略コンサルと総合コンサルの違いを説明してきました。両者は主戦場としている領域が異なるため、働き方や求められるスキルも異なります。

この違いが選考段階から明確に表れているため、それぞれに適した対策を積む必要があると言えます。

これだけの違いがあることから、希望と異なる仕事に就くとミスマッチが起こりやすいです。違いを踏まえ、自分がどちらの仕事に興味があるのか、あるいは適性があるのかをしっかりと見極めてください。

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