今回はコンサル起業について、独立にあたってのメリット・デメリット、起業して成功するための具体的なステップ等をお伝え致します。
☑コンサル起業のイメージが明確になる
☑自分自身がコンサル起業に適しているかを把握できる
☑コンサル起業で失敗しないためのステップを学べる
「自分の強みを活かして企業をサポートしたい」「柔軟なライフスタイルを確率しつつ、社会貢献できるようになりたい」という場合、コンサルタントとしての起業は有力な選択肢の1つとして考えることができます。
独立は甘い世界ではありませんが、抑えるべきポイントを抑えておくことで多くのリスクを回避することが可能です。
コンサル起業を検討されている方は是非最後まで読んでみてください。
コンサル起業の定義は?
コンサルタント起業とは、個人事業もしくは法人を設立したうえで法人・個人のクライアントを相手にコンサルティングサービスを提供することです。
コンサルティングサービスの王道はITコンサルタント、戦略コンサルタント等が挙げられますが、キャリアコンサルタント等を筆頭に個人向けの分野に特化したコンサルタントが活躍しています。
従業員を雇わない零細企業として活動するパターンもあれば、専門技術を有するメンバーを複数名起用して活動するパターン等、多種多様です。
コンサル起業のメリット【全ては自分次第】
「起業=ハードルが高い」というイメージも持たれる場合がありますが、コンサル起業だからこそ有利に活躍できる場面があります。コンサル起業における具体的なメリットとしては、以下の3点です。
・専門の資格や認可が不要
・収益化方法が多種多様で、様々なビジネスにチャレンジできる
・ビジネスマンの人脈が広がり、収入も青天井
利益率が高い(設備投資も不要)
コンサルティングサービスは自分自身が商品となるため、経費としては人件費が大半となります。また、零細法人であればオフィス等も持つ必要がなく、設備投資や月々の固定費も抑えることが可能です。
そのため、個人でのコンサル起業であれば、売上がほぼそのまま利益となります。単月50万円の案件を受注することができれば、50万円がほぼそのまま利益になるということです。
専門の資格や認可が不要
コンサルタントとして起業する際、資格や認可は必要ありません。そのため、その気になれば誰でも「●●コンサルタント」と名乗ることができます。
「中小企業診断士」や「公認会計士」等、コンサルティングサービスを展開するうえで有利な資格も存在しますが、自分自身の得意分野、経験を活かして開業することが可能です。
収益化方法が多種多様で、様々なビジネスにチャレンジできる
・オンラインサロンの開設、運営
・セミナー開催
・スキル等をコンテンツとして販売
・SNSを活用した広告収入
コンサルタントとしての主な業務はクライアントの問題解決をサポートすることですが、収入を得る方法としては多種多様です。
また、既に巨大組織へ成長しているコンサルティング企業は自社イメージ等を大切にしているため、コンプライアンスは厳しくチャレンジに対して慎重な部分が多いです。
その点コンサル起業では良くも悪くもコンプライアンスは自分次第であるため、「やりたい」と思ったことは積極的にチャレンジすることができます。
ビジネスマンの人脈が広がり、収入も青天井
コンサル起業を経て案件をこなしていくうちに、自然とビジネスマンの人脈が構築される点も起業ならではのメリットです。
また、受注した案件で成果を上げることができれば、紹介や口コミなどによって営業活動を介さず仕事が発生する場合もあります。自分の働き方やビジネスモデル次第で、収入の伸びしろも青天井です。
仕事の付き合いでもプライベートの付き合いでも、どんな場面でビジネスチャンスが訪れるかは分からないものです。そのため、コンサル起業して活躍するのであれば日頃からコミュニケーションを大切にしておきましょう。
コンサル起業のデメリット・注意すべき点
前述の通り、コンサル起業は誰でもスタートすることができますが、一方でデメリットも存在します。
・労働集約型になる
・参入できる分野が限定される
・信頼関係の構築に失敗できない
起業する際には、上記のデメリットや注意点を留意したうえでスタートしましょう。
仕事が無ければ収入ゼロ
当然ながら、仕事が無ければ収入はゼロになります。会社員であれば毎月の給料日としての収入が確保できますが、独立すれば自分次第となります。
また、初めは仕事を受注できていても案件が終了すると、次の目途が立っていなければ翌月の収入が無くなってしまいます。
大口のクライアントに依存すると上記のような状況に陥りがちなので、キャッシュフローは計画的に立てることが大切です。
労働集約型になる
コンサル起業は基本的に労働集約型のビジネスモデルとなるため、ハードワークになる場合がほとんどです。
人そのものがサービスになるため、ビジネススキームの中で自動化できる部分はそこまで多くありません。組織化するとしても、人材確保・育成にもリソースを使います。
また、緊急時には休日でも関係なく仕事が発生する場合があるため、柔軟に対応できるように日々のスケジュールを組む必要があります。
参入できる分野が限定される
コンサル起業は開業するハードルが低い反面、特定の分野では競合との競争が激しいです。ITや経営コンサルタント等は単価が高いため、仕事を受注する事も簡単にはいきません。
また、個人向けサービスの王道であるキャリアコンサルタントも、様々なエージェントで溢れているため、活躍するためには明確な差別化を図る必要があります。
ニッチなジャンルであれば独占して活躍できる可能性もあるため、どの分野でどのようにビジネスを展開するかが大切です。
信頼関係の構築に失敗できない
会社員としてコンサルティング業務をこなす以上に、コンサル起業ではクライアントとの信頼関係構築に対してシビアに向き合いましょう。
会社員であれば先輩・上司に怒られて終わる話が、個人の場合だと些細なミスやトラブルが収入に大きく影響します。
駆け出しのうちであったり、大口のクライアントであったり、小さなミス1つで収入がゼロになるリスクもあることを心しておきましょう。
コンサル起業に適した人材
コンサルタントは誰でも名乗れる一方で、適性があります。不向きな場合は案件を受注することも難しいかもしれません。
基本的には以下のような人材がコンサル起業に適していると言えます。
・コミュニケーションが好きな人
・自分自身を客観視できる人
・マネジメント経験を有する人
仕事に熱中できる人
前述の通り、コンサル起業は労働集約型のハードワークになる場合がほとんどです。
そのため、「家に仕事を持ち帰りたくない」「土日はしっかり休みたい」「仕事とプライベートをはっきり分けたい」という方は不向きと言えます。
・仕事が好き
・休みの日も仕事のことを考えている
・仕事とプライベートを分けなくてもOK
・平日休日関係なく行動できる
個人で仕事をスタートするにあたり、まず自分自身のマネジメントが第一歩です。1つずつ順を追って見てみましょう。
コミュニケーションが好きな人
コンサルタントとしてビジネスを安定させるためには、営業能力や提案能力が求められます。また、信頼関係構築という観点でも日々のコミュニケーションは重要です。
そのため、「家で1人でもくもくと仕事をしたい」「仕事絡みの飲み会には行きたくない」という方にとってはコンサル起業は厳しいと言えるでしょう。
仕事・プライベート問わず、ビジネスチャンスはいつどこで訪れるかはわかりません。そのため、常にアンテナを張りながらコミュニケーションを取ることも、収入を安定させるためには必要です。
自分自身を客観視できる人
コンサルタントは、クライアントの状況や課題を第三者視点で分析し、解決策を提案する必要があります。過度な共感や自分の経験等の過信をせず、冷静に確実性の高い判断を下すことが大切です。
そのため、自分自身を含め、物事を客観的に捉えることができる人材はコンサル起業に適していると言えるでしょう。
マネジメント経験を有する人
プロジェクトを成功させるためには、メンバー1人1人が最適なアクションを実行する必要があります。
経営課題に対する解決策を提案するのはコンサルタントであるため、コンサルタントがメンバーを先導しなければならないシーンも多いです。
そのため、第三者的な立場であっても「人を動かす」力が問われます。また、コンサル起業を組織する場合においてもマネジメント経験は大いに役立てることが可能です。
コンサル起業のための具体的なステップ【勢いの中にも段取りが大切】
次に、コンサル起業のための具体的なステップについてお伝えします。起業時はスタートダッシュの勢いが大切ですが、それと同等以上に段取りも重要です。
コンサル起業で失敗しないために、以下のステップを1つずつしっかり踏まえておきましょう。
ステップ1.自分自身の特徴や強みを徹底的に自己分析して明確化する
まずは、自分自身について徹底的に自己分析を行います。法人向けなのか個人向けなのか、第三者視点での課題解決を必要とする場面は多種多様です。
自分自身、自社の強みを明確にしたうえで「どの業界でコンサルティングサービスを展開するのか」を決定しましょう。
ステップ2.参入予定の市場の規模やチャンス、ターゲット層を分析・把握する
参入する分野を決定次第、市場調査に取り組みます。
・市場規模、ニーズ
・競合性の高さ
・ターゲットの母数や特性
ニーズがない分野では利益も見込めず、競合性が高い等の理由で参入障壁が高い場合でも黒字化は困難です。
また、このステップでビジネスをスタートさせる際のリスクも把握しておきましょう。想定し得る最悪の事態も、念頭に入れておくことが大切です。
ステップ3.事業戦略、ビジネススキームを策定する
・事業をするうえでの目標
・他社とどう差別化を図るか
・どのようなスキームで収益化を図るか
上記を明確にしなければ方向性もぶれてしまい、黒字化も遠ざかるため注意が必要です。あらかじめ方針を決めておくことで、不要な回り道を通るリスクも抑えることができます。
利益を追及して本来の方針に反するビジネスに手をつけないように注意が必要です。
ステップ4.リソースと案件獲得ルートを確保する
事業を始めるにあたり必要な設備、及び資金を確保します。また、どこで案件を受注するのかの目星もこのステップでつけておきましょう。場合によっては人材の確保も必要となります。
黒字化させるために一定の時間を要することを想定し、少なくとも半年~1年程度の生活費を事前に確保しておく方が賢明です。最低限の生活費を確保したうえで、求人の広告費やパソコン、システム等の機材を揃えます。
案件獲得ルートに関してはフリーランス向けの案件マッチングサービスやテレアポ等、多種多様です。収入の安定性も踏まえ、複数の案件を回せる準備をしておくと安心できます。
ステップ5.開業手続きを行う
以上の準備が終わり次第、手続きを済ませましょう。個人事業主であれば開業届を、法人設立であれば所定の届出を提出する必要があります。
個人事業としてスモールスタートし、一定の規模にまで成長したら法人化する等の方法もあります。
コンサル起業は基盤を固めたうえでスタートダッシュ
コンサル起業は誰でもスタートできる一方で、決して楽な道ではありません。多くの方が志半ばで挫折している世界です。
自社の特徴を市場を徹底的にリサーチして、揺るがない基盤を確立させてから臨みましょう。収入ゼロを回避すべく、案件獲得ルートも念入りに備えておくことが大切です。
起業1年目は仕事に全力投球し、ハードワークも寛容する覚悟が問われます。そのうえでコンサル起業に挑戦するかを検討してみてください。
場合によっては、もう1社転職、キャリアチェンジ等のステップを挟むのも1つの手です。