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事業再生コンサルタントとは?仕事内容や年収、キャリアや必要なスキルについて解説

業績回復イメージ
事業再生コンサルタントは、経営環境の変化や競争激化によって苦しい状況の企業を、健全な状態に回復させるためのスペシャリストです。

近年においてもニーズが高まっている事業再生コンサルタントですが、具体的にはどのような仕事をしていて、どのようなスキルが必要なのでしょうか。

今回は事業再生コンサルタントの仕事内容や年収、キャリアや必要なスキルについてまとめてみました。

事業再生コンサルタントとは

事業再生コンサルタント
事業再生コンサルタントとは、前述の通り経営状況が苦しい企業を再生・復活させるための専門家集団です。近年の情勢変化に伴い、ニーズも高まっている成長分野と言えます。

事業再生コンサルタントは具体的に以下のような手段でクライアント企業の再生を図ります。

・業務上、財務上の状況を整理し問題点を洗い出し
・取引先の金融機関との交渉
・不採算事業の整理、リストラクチャリング
・事業売却や人員整理
・組織の業務効率化を狙った施策を立案、実行

経営が振るわない原因を明らかにしたうえで、コンサルタントは経営陣に加わり、現場をリードしながら経営改革を進めていきます。

このように、「企業の存続」を第一に考えて進めますが、事業再生コンサルタントは「企業価値の向上」を目的としたコンサルティングを実施する場合もあります。

主な例としてPEファンドの事業再生コンサルタントの場合、「企業の存続」よりも「企業価値の向上」を目的としたコンサルティング業務が多いです。

いずれの場合においてもクライアント企業の重大な意思決定に関与するポジションであるため、責任も大きい仕事と言えます。

主な事業再生系コンサルティングファーム

●フロンティアマネジメント
●経営共創基盤
●アリックスパートナーズ
●山田コンサルティンググループ

事業再生は競争も激化している領域であり、最近では事業再生の施策を提案しサポートするだけでなく、クライアント企業に直接入りこんで支援するファームも存在します。

事業再生コンサルタントの年収は?

年収イメージ
事業再生コンサルタントの年収は600万~900万円がボリュームゾーンで、全体の中でも高い給与水準を誇ります。

ファームやアサインされるプロジェクトにもよりますが、ハンズオン支援型の場合であれば年収1,000万円を超えることも多いです。

PEファンドの事業再生コンサルタントの場合はインセンティブ報酬も手厚いため、年収2,000万円以上に到達するケースも珍しくありません。

案件単価が高くなれば収入も上がると同時に、コンサルタントに求められるパフォーマンスの質も高く、ハードワークが伴うこともあるでしょう。

年収だけでなく働き方も考慮したうえで、業務コンサルタントを検討してみてはいかがでしょうか。

事業再生コンサルタントのキャリアは?

キャリアアップイメージ
事業再生コンサルタントは求められるレベルも高いため、コンサル未経験者にとっては特に狭き門となっています。

前職において戦略系や業務系コンサルの経験者、金融機関で事業会社を対象とした融資業務の経験者、投資銀行での就業経験者等が、事業再生コンサルタントに転身するケースが主流です。

戦略系・業務系コンサルでの経験は事業整理のうえで経営戦略を立案する際に役立ちます。

また、財務状況の再生に特化する場合であれば、金融機関出身者の得意フィールドであり、金融機関との交渉にも培った経験を活かすことができるでしょう。

事業再生コンサルタントのキャリアプラン

事業再生コンサルタントはコンサル業界の中でも花型の1つとされており、経験を積むことで様々なネクストキャリアを考えることができます。

・所属するファームでスキルアップし、昇進を目指す
・よりランクの高いファームに転職する
・事業会社のマネージャー、幹部ポジションに転職する
・独立、起業する
・スペシャリスト型を目指す(業務に特化した再生コンサル、財務に特化した再生コンサル等)
・地方自治体や教育機関に向けた再生コンサルティングを行う

民間企業に限らず、様々なフィールドで事業再生コンサルタントの経験を活かすチャンスがあります。

ブランディングや財務状況改善、ベンチャーキャピタル提案等、事業再生コンサルタントとして経験を積むことで自身が活躍できるフィールドを広げることが可能です。

事業再生コンサルタントとして活躍するために必要なスキルは?

事業再生 スキルイメージ
事業再生コンサルタントとして活躍するためには、主に以下のようなスキルを身に付ける必要があります。

・分析能力(クライアント企業の状況を整理し、問題点を的確に洗い出す)
・論理的思考能力(状況を把握したうえで、矛盾なく論理的に解決策を考える)
・問題解決能力(施策を考え、最後までやり切る、完遂する)
・危機管理能力(想定し得る最悪の事態を考慮しながら行動する)

経営者層がクライアントとなるため、経営的な視点での考え方も求められます。また、自ら直接支援するハンズオン型の場合はプロジェクトをけん引するリーダーシップやタフネス性も重要です。

いかなる状況にもベストパフォーマンスを発揮して事業再生、企業価値向上を実現できるように、事業再生コンサルタントには多種多様な要件が求められます。

まとめ

事業再生コンサルタントは、難易度の高い仕事であると同時にやりがいも大きく、見返りとなる給与水準も高い業界です。

これから事業再生コンサルタントを志す場合、経営・戦略コンサルタントの実務経験や金融機関での実務経験等を積んだうえで事業再生系ファームやPEファンドへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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