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【コンサル必須の知見】MECEとは?基本から応用方法まで解説!

思考方法 mece
「MECE(ミーシー)」とはコンサルティング業界で耳にすることが多い用語の1つです?

企画書や提案書などを作成したときに上司から、「もっとMECEにまとめてくれないか」など、使われることもあります。

この記事では、コンサルティング業界で働くビジネスマンならば知っておくべきMECEについて、基本から応用方法まで解説します。

MECEを理解し、身に付けることでコンサルタントとしての業務に良い影響が期待できます。

・物事の要素分解が上達し、仕事を有利に進めることができる
・相手に納得感を与える主張ができるようになる
・今までよりも自然に視野を広く持てるようになる

これからコンサルティング業界で活躍したい、レベルアップしたい方は是非最後まで読んでみてください。

MECEとは

meceイメージ
MECEとは、ロジカルシンキングの根底となる思考方法で、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive(直訳:相互に排他的であり、全体的に網羅されている集合)」を略称した造語になります。

主に全体像が不明瞭な状態、要素が複雑に絡み合っている状態において役立てることが可能です。

Mutually Exclusive:一つひとつ見ると重複がなく
Collectively Exhaustive:全体的に見た場合に漏れがない

あわせると、「漏れなく重複なく(ダブりなく)」となり、戦略・マーケティング用語として活用されます。

この用語を知っていなくとも、状況整理・要素分解が得意な方はMECEの基本を抑えることができているということです。

MECEによる思考方法を習得するメリット

思考が生じるイメージ
MECEの思考方法を習得する最大のメリットとしては、「客観的な視点・思考で物事を論理的に整理することができる」ようになる点が挙げられます。

ただし、全ての物事においてMECE思考を役立てることができるとは限りません。プロジェクトによってはフレームワークも異なり、必要なスキルや思考方法も様々です。

そのため、MECEをビジネスで活用する際にも「MECEであるか?ないか」と、明確に判断します。今回はMECEである考え方と、MECEでない考え方を解説します。

MECEである場合

MECEである考え方は、漏れがなくダブりのない状態です。例をあげると、ある企業で働く人材を年代別に分類することは、MECEになります。

【ある企業で働く人の年代別グループ分け】

・20歳未満
・20代
・30代
・40代
・50代
・60代以上

たとえば、23歳の職員を振り分ける場合は「20代」グループになります。「20代」以外の年代グループに該当しないため、重複しません。

また、「20代未満」と「60代以上」のグループが設定されています。働く年齢層すべてを当てはめられることから、漏れのない分類が可能です。

結果的に、「漏れなく、ダブりない状態」となるため、MECEになります。

MECEでない場合

MECEでない考え方は、次の3つが該当します。

・ダブらないけれど漏れがある
・漏れがないけれどダブる部分がある
・漏れもダブりもある

ダブらないけれど漏れがある場合は次のとおりです。

【関東地方に該当する都道府県】

・茨城県
・栃木県
・群馬県
・埼玉県
・千葉県
・東京都

関東地方には、1都6県が定義されています。上記の分類では、一般的に定義されている県として、神奈川県が抜けている状態です。

そのため、関東地方の都道府県としてダブりはありませんが、漏れがあるためMECEとなりません。

漏れは無い一方でダブりがある場合は、次のようなケースです。

【サービスを利用する人の身分属性】

・会社経営者
・会社員
・個人事業主
・フリーランス
・学生
・主婦・主夫
・無職

上記の身分の分類では、漏れがなく分類されますが、身分のダブりが生じます。

・会社員でも個人事業主である人
・学生であり会社経営者の人
・会社員でありフリーランスでもある主婦

様々な身分が想定できるため、身分のカテゴリにおいての漏れは無い一方で、ダブりはある状態です。

また、漏れもダブりもある状態は、属性を大枠で「大人」と「子供」に分けた場合において考えられます。

「大人」と「子供」の境界線は、状況によって様々です。電車の運賃など、小学生までが子供料金となるため、13歳となった中学生は「大人」とみなされる場合も想定可能です。

サービスや状況により、「大人」として扱われたり、「子供」として扱われたりすることが考えられるでしょう。その場合はダブりも漏れも生じるため、MECEではなくなります。

MECEによる分析方法

PCで分析する男性
MECEによる分析方法は、5つの観点を切り口にして実行します。

1.要素の積み上げ

分析対象からまず全体を把握し、全体像を構成している要素を分解し派生させていくということです。

例えば全体像が「関東地方」である場合、関東地方を構成する各都道府県が要素に該当します。そして、県庁所在地や各市区町村等、さらに分解することが可能です。

2.因数分解

分析対象を計算式によって各要素に分解することも、論理的に物事を捉える有効手段の一つになります。

「売上」を分析する場合、「アクセス数×顧客単価×成約率」という式で明確化し、問題がある・改善が必要な要素を見つけることができるでしょう。

3.時系列

プロジェクトのスケジュール管理においては、時系列で要素分解を行う方法が特に効果的です。

タイムテーブルごとに要素を1つずつ当てはめることで、時系列的にどこで問題が起きていたのかを明確にすることができます。

4.段階

分析対象を段階に分けて各要素を当てはめます。「企画⇒設計⇒開発⇒リリース⇒運用」等、プロジェクトのフェーズを明確にしましょう。

段階が明確に分類されることで、プロジェクトの構造もシンプルになり、第三者も簡単に理解できるようになります。

5.対称

分析対象を相反する要素に分けて考える方法です。

・メリットとデメリット
・成功要因と失敗要因
・成約した案件と成約しなかった案件

それぞれの共通項を見つけ出すことで今後のビジネスを有利に展開することができます。

上記であげた分析方法は、切り口が異なっても「漏れなくダブりのない」MECEである要素をあてはめることが必要です。

ビジネスにおけるMECEの重要性

重要なポイント
ビジネスにおいてMECEは、特にマーケティングにおいて重要となります。その理由は、ロジカルシンキングとマーケティングを支える土台になるからです。

ロジカルシンキングでは、ビジネスの課題や問題点に対して論理的な視点で順序良く、矛盾がないように考えます。その際に、MECEの「漏れなくダブりのない状態」を目指す考え方をそのままロジカルシンキングにあてはめることが可能です。

また、マーケティングによる戦略立案では客観的なデータを使った施策が必要となります。

感情論や俗人的な見解ではなく、MECEの「漏れなくダブりのない状態」となる論理的な判断がビジネスにとって重要な考え方です。

MECEを有効活用できるフレームワーク

フレームワーク
フレームワークは業界やプロジェクト等によって多種多様で、状況に応じたアプローチ方法が求められます。

数あるフレームワークの中でMECEを有効活用できる主なモデルは、以下の通りです。

・SWOT分析
・3C分析
・PDCAサイクル
・ロジックツリー
・4P分析

SWOT分析

SWOT分析は自社と競合の強みや違いを分析する際のフレームワークです。強み、弱み、機会、脅威の4点を軸に分析します。

MECEを用いて漏れなくダブりなく要素分解を行い、より正確な施策を打ち出すことが可能です。

3C分析

3C分析とは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3要素に分けて問題を客観視して分析するためのフレームワークです。

MECEを活用しつつ3つの視点から課題点を明確にし、最適な自社の戦略を打ち出すことができます。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは最適な作業サイクルを確立するための手法です。現状を把握し、仮説を立てて、仮説が合っているかを検証します。

その際にMECEで正確な要素分解を行うことで、仮説と検証の精度を高めていくことができるでしょう。

ロジックツリー

ロジックツリーは相手に納得感を与えるために物事を論理的に整理するフレームワークです。現状をツリー上に分解して整理し、問題の原因や解決策を探る方法になります。

このフレームワークにおいてもMECEを用いることで、漏れ・ダブりもなくまとまったツリーを描くことが可能です。

4P分析

4P分析は製品(Product)、価格(Price)、提供手段(Place)、販促手段(Promotion)の4つに分けて問題を分析し、施策を打ち出します。

PlaceとPromotionの2点はダブりが発生しやすいため、MECEで的確な分解を心掛けるようにしましょう。

まとめ

今回は、ロジカルシンキングの基盤となる考え方「MECE」について解説してきました。MECEは、客観的なデータを論理的に分類していく考え方です。

コンサルタントは物事をMECEで捉えられるために、「漏れなくダブりない」視点が求められるでしょう。

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