未経験からコンサル業界を志望する人が増えています。一方で「そもそも未経験だと転職できないのでは?」と心配している人もいるでしょう。
ここでは、未経験からコンサル業界へ転職する際の準備から、未経験ながら活躍するためのスキル、コンサル業界へ転職して成功する人・失敗する人の特徴についてご紹介します。
未経験からコンサルタントへの転職を真剣に検討されている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
未経験からコンサルタントへ転職の準備
ほぼ全てのコンサルティングファームが未経験者を採用しています。求められる能力を高いから何を準備して良いか分からないだろうと思ってしまいがちです。
そこで実際に業務を行ったことがない未経験者が具体的に何を準備すれば良いのかをここでは以下の2つを説明します。
・求められる素養の把握
・面接対策
どちらも、転職するに辺り必要不可欠な内容ですので、ぜひしっかりとご確認下さい。
求められる素養の把握
コンサル業界への転職者は、どのコンサルティングファームでも採用要件においても具体的な学校名を含めているファームはありません。結果だけ見ると結果的にGMARCH・早慶・東京一工などの上位出身者が多くのウエイトを占めています。
しかし、勉強ができるといった点で採用に至ったわけではなく、結果的に必要な素養を備えた人材が高学歴が多いということです。つまり、学歴が必須ということではありません。
特に求められる能力について「論理的思考力」と「コミュニケーション能力」がありますが、これまでの実績や特定領域の専門的な知識を持っている人材も重宝されます。
特に現在コンサル業界ではDX案件やIT案件のウエイトが多く占めているので、この領域の仕事をメインとして働いてる業界の人はアピールできるポイントでしょう。
面接対策
前述の「論理的思考力」と「コミュニケーション能力」は、コンサル業界の面接時にはこの2つの素養についてチェックされる可能性が高いため、具体的な対策が必要です。
具体的な対策として一番大切なのが「情報収集」になります。特にコンサル業界と言えども、戦略やIT、人事、医療、製造など多種多様な業界領域があります。ご自身が興味がある領域がどこであるのかを事前に把握しましょう。
業界が求めている方向性と自分の職歴の関連性を探し、自分のスキルがどこに活かすことができるのかを履歴書・志望動機書に組み込むことが大切です。
コンサルタントとして活躍する為のスキル
コンサルティングファームによっては特定の経験やスキルを転職希望者に求めることがあります。しかし多くのファームにとっては必須の条件は存在しないので、押さえておくべき転職後の実業務で核となるスキルについて以下の3点をご説明します。
・英語の素養
・IT系の素養
問題解決能力
問題解決能力とは、理想と現状とのギャップを指します。そして問題解決とは、理想を実現するための現状とのギャップをどのように埋め合わせるのかを検討して、埋めるために定義を行うことです。
一般的に考えられる、トラブルに陥った瞬間や失敗した経験などが問題というわけではないです。基本的にコンサルティングファームではこのような問題を解決する能力が必要とされます。
英語の素養
コンサルティングファームでは英語でのディスカッションや書類作成や社内メールがある程度英語であるケースが多いので、英語の素養は必要です。
英語の能力やレベル感では、所属する部署やプロジェクト業務の内容に寄ります。また、転職後にご自身の英語スキルを配慮してマネージャーがプロジェクト先を選定してくれるケースが多いので、転職面接時は適切な英語スキルを提示するようにしましょう。
IT系の素養
コンサル業界のプロジェクトの大多数はIT案件が多いです。特に日本の大企業に関してはビジネスシーンにおいてDX領域に課題を抱えるクライアントが多いことが背景です。企業の課題解決にITを使用することは一般的になりつつあります。
しかしコードを書くような業務ではないのでプログラムのような実務的なスキルが必要とはありません。
おすすめの能力値としては「基本情報技術者試験」の資格を取得することで、直接的に実務のままの学習ではありません。プロジェクト内で使用するIT用語なども学習する機会となるため、この資格の取得をお勧めします。
未経験のコンサルタントがきついと言われる理由
コンサル業界は資本が人と言われるくらい専門的な技術やスキルが身につき、貴重な経験ができる一方でハードワークと言われています。
では、未経験だからこそコンサル業界へ転職した際にどのようなことがきついと感じるのでしょうか。ここでは主に以下の2点について説明します。
・裁量権がなく、活躍できるまで時間が必要である
コンサルのベーススキルを0から学ぶ姿勢が求められる
他業界と比べても高級商材をクライアントに売り込む必要がありますので、提出する書類の1つであっても、プロとしての振る舞いが要求される環境です。
また、プロの振る舞いというのは他業界と比べると要請される水準や細かい配慮が求められます。例えばパワポのまとめ方やレイアウト、エクセルのまとめ方なども入社してから再度コンサル流に学び直す必要があります。
そのようなコンサル独特の礼儀作法が特殊であり、かつ一から学び直す必要があるので、他から実績を残して転職してきても、プライドが打ち砕かれてしまうケースが少なくありません。
裁量権がなく、活躍できるまで時間が必要である
前職でどれだけ活躍できていたとしても、コンサル業界は全く別物の環境です。
スポーツに例えるとプレイヤーとしてトップスキルや技術を持っていても、そのスポーツを管轄して指導するコーチとしては一人前というわけではないようなものです。
コンサル業界へ転職したらまた一から下積みを重ねて、修練しなければいけません。
そのような環境下で、前職の成果に自惚れて、改めてリセットして謙虚に学び直す姿勢や気持ちがなけれは裁量権を持って仕事をすることができなく、修練時間の長さに耐えきれなく、挫折してしまうケースもあります。
未経験におすすめのコンサルタント(種類)
コンサルタントの種類としては様々な領域があります。
・戦略立案からマーケティングやSCM、生産・調達改革など業務改革全般を支援する「総合ファーム」
・従来系システム開発からデジタル系・DC案件などを手がける「SIer系ファーム」
等々、基本的に未経験で転職する際は年次毎に判断するべきです。ここで、年次を新卒〜20代までの「若手」と30代以降の「それ以外」に大別して解説します。
結論から言うと以下のようになります。
若手:基本的にどの種類でも可能
それ以外:特定の業界や専門性に特化したコンサル
若手:基本的にどの種類でも可能
転職の実績数を見ても、未経験からコンサル業界へ転職する際の年齢層は新卒〜30代までが全体の半数ほどを占めています。
ある程度社会人経験を積んでいる人材であれば、ポテンシャル評価として上記で紹介したスキルが備わっているか、コンサル業界の風土に馴染めるのかといった観点から評価されます。
そのため、基本的にどの業種でも転職する価値はあります。しかし、未経験からのスタートであり、ゼロから学習する姿勢が求められることは念頭に置いてください。
それ以外:特定の業界や専門性に特化したコンサル
それ以外の30代以上の人材となると、若手と比較しても転職難易度は高くなります。未経験からコンサル業界への転職が馴染みづらい背景があるからです。
コンサルティングファームとしては30代以降の転職者は即戦力として起用するので、転職してすぐにプロジェクトを完遂できる人材でなければいけません。
特に会社として求められる素養として「特定のプロジェクト経験が豊富」だったり、「ファーム側も力を入れていきたい領域に精通している」ような人材です。このようなバックグラウンドがある領域のコンサルティングファームを志望しましょう。
まとめ
コンサル業界へ転職を検討する際は、自分のキャリアを棚卸しして、これまでのご自身の経験と今後のキャリアの展望がコンサル業界と繋がっていなくてはいけません。
特になぜコンサルタントなのかといった背景をもう一度確認することが大切です。その際にはぜひ、この記事を参考にしていただき、ご自身のキャリアの棚卸しを行ってください。