コンサルタント業界は、平均収入よりも高く新卒や中途で入社する人が多くいます。
しかし、コンサルタントの年収が高いということを聞いたことがあるだけで「なぜ年収が高いのか?」「他の業種と比べて本当に高いのか?」などの疑問が挙がります。
この記事では、コンサルタントの年収が高い理由と年収の相場について紹介します。
なぜコンサルタントの年収は高いのか?
コンサルタントの年収が高い理由としては、以下の3つの理由が挙げられます。
・案件の単価が高い
・課題解決のために高いスキルが要求される
・利益率が高い
上記3点について詳しく見てみましょう。
理由①案件の単価が高い
コンサルティングの案件単価は業界によって差はありますが、SES(システムエンジニアシェアリング)等と比較して高いです。
・SES(エンジニアの単価)60万~80万円
・戦略コンサル150万~200万円
上記の例はほんの一部ですが、コンサルティング案件の王道である戦略コンサルや経営コンサル、業務関連のコンサルティング案件は総じて単価が高いと言えます。
この案件の単価が会社の売上となり、従業員の給料にも反映されるため、コンサルタントに給料を多く支払える態勢が整っているのです。
フリーランスの場合であっても、コンサルティング案件は100万円以上の単価が豊富であるため、実力のコンサルティングファームの社員が独立して活躍するケースも多数見受けられます。
また、働き方によっては単月50万の案件を3つ受注する等、複数の案件を同時に受注して収入を伸ばすコンサルタントも多いです。
理由②課題解決のために高いスキルが要求される
コンサルタントは、企業の課題の洗い出しから課題解決までをおこなうために高度なスキルが必要です。
主なスキルとして具体的には論理的思考力や課題解決力などが挙げられますが、あらゆるビジネススキルを駆使してクライアントの課題解決を図ります。
関連記事:戦略コンサルとして活躍するために必要な11のスキル【未経験でもメキメキ成長しよう】
そのため、コンサルタントとして業務を遂行できるビジネスマンは総じて市場価値が高い人材です。
理由③利益率が高い
コンサルタントは課題解決のためのリソース(主に人材)を提供する業務になるため、主な経費は人件費です。
案件の単価がそのまま売上になるのに対し主な経費は人件費となるため、従業員へ還元できる給料も大きな額となります。
また、エンジニアの案件と比較して2次請けや3次請け等による中抜き業者の介入も少ないため、コンサルティングならではの利益率の高さを実現しています。
コンサルタントと商社マン、どちらの給料が高い?
コンサルタントと商社マンの年収は、入社時点では大きな差はありません。しかし、役職に就いたり年数を重ねるごとにコンサルタントの方が高くなります。
コンサルタントも商社も入社7〜10年程度で1,000万円を超える人が多いですが、それ以降の伸びはコンサルタントの方が大きいです。
また、コンサルティングファームにおいては役職が存在し、役職次第で年収の上限も大きく異なります。
商社の管理職を含めた一般社員は上限1,500万円に対し、コンサルティングファームにおけるシニアマネージャー以上の役職であれば2,000万円を超えるケースも珍しくありません。
日経コンサルティングファームなのか外資系コンサルティングファームなのかにもよりますが、シニアマネージャーやプリンシパル、パートナー等の役職は大きな収入を掴むチャンスがあります。
コンサルタントと外資系投資銀行、どちらの給料が高い?
結論として、会社員として比較する場合は外資系投資銀行の方が給料は青天井と言えます。
外資系投資銀行の場合は日々の業務で取り扱うお金の額が規格外であり、部門によっては億単位の年収を稼ぐ会社員も多いです。
ただし、コンサルタントと比較して外資系投資銀行の方がリストラになる可能性は極めて高いという側面もあります。
個人のパフォーマンスの良し悪しだけでなく、景気の悪化による日本市場からの撤退・規模縮小等、個人の責任範囲を超える要因であっても容赦なく解雇される可能性も否めません。
そのため、コンサルタントと外資系投資銀行を比較した場合、会社員としては外資系投資銀行の方が年収が高い一方でコンサルタントの方が安定性があると言えます。
コンサルタントの年収相場
大手転職サイト「doda」の職種別平均年収ランキング【最新版(2021年)】によるとコンサルティング業界の平均年収は、575万円になり生涯年収は2億8725万円です。
コンサルタントは、専門分野ごとに分かれているため上位3つを紹介します。
■年収ランキング
1位:リスクコンサルタント(704万円)
2位:業務改善コンサルタント(667万円)
3位:戦略 / 経営コンサルタント(664万円)
2020年に比べてリスクコンサルタントが36万円上昇して、戦略 / 経営コンサルタントが60万円減少しました。次に世代別の平均年収を紹介します。
20代 | 30代 | 40代 | 50代~ |
---|---|---|---|
472万円 | 627万円 | 688万円 | 738万円 |
20代前半から中ごろまでは、アナリストという役職でコンサルタントのサポートをおこないます。そのため、一般的な企業と年収は変わりません。
しかし、コンサルタントの役職が上がると年収も一気に上がります。また、30代・40代で大きな役職に就き、年収1,000万円を超える社員も増えてきます。
関連記事:コンサルタントの主な役職(タイトル)、それぞれの業務内容等について
未経験でコンサルティングファームに転職するコツ
若手の時は、未経験からコンサルタントに転職することは難しくありません。コンサルタントは、分野ごとに専門性が異なりますが入社してから身に着けることもできます。
特に未経験から入社になると、コンサルタントよりも職位の低いアナリストからの出発になるのが通常です。
アナリストは、コンサルタントのサポートがメインの業務になるので未経験でも一から仕事を覚えることができます。未経験から転職する場合のコツは、3つあります。
自分という人間の経歴や魅力を正しく伝える
コンサルタントにとっては、論理的思考力は重要になります。論理的思考力は、企業の課題を洗い出したり課題を解決するときの基盤となるスキルです。
論理的思考能力は選考においても重視している企業が多いため、話が理解しやすく理にかなったコミュニケーションで自己アピールしましょう。
応募先の企業を正しく理解する
未経験からコンサルタントを志す際に、志望理由の本心が年収であっても直接口にするわけにいきません。
ただし、リサーチが甘ければ、志望理由に関しても面接官はすぐに志望理由のメッキをはがしにかかります。
しっかり応募先企業を調べて深掘りされても、矛盾なく回答できるかが大切です。
志望理由に納得感を持たせる
・自分が実現したいキャリア
・現職では実現不可能な理由
・数ある競合他社の中でも応募先企業を選んだ理由
上記3点について、どれだけ深掘りされてもしっかり応えられるように面接で伝えるポイントを抑えておきましょう。
志望理由に納得感を高めることで、採用担当者に論理的思考能力を評価してもらえる可能性があります。
関連記事:コンサル未経験からポテンシャル採用で内定を勝ち獲る秘訣【事前準備がカギ】
まとめ
他業種と比べると高年収に位置するコンサルタントですが、一人前のコンサルタントになるには多くのスキルと経験が必要になります。
このスキルは、所属しているコンサルファームや日々の勉学、アサインされているプロジェクトによっても伸びるスキルも多種多様です。
しかし、高年収のコンサルタントになるためには、網羅的にスキルを獲得する努力が大切になります。