コンサル業界で必要とされる資格について、代表的なものを6つほどご紹介します。
コンサル業界では、所属する(目指す)領域によって必要とされる資格が異なってきており、該当する領域によって適切な資格が存在します。コンサルに関連する資格は多種多様であるため、どの資格を取るべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
「未経験からコンサルに転職するけど、どんな資格を取得するべきか分からない」
「コンサル業界で必要な資格は何か抑えておきたい」
まずはコンサルにおいて応用性が高く便利な資格を優先して取得し、業務に取り組む過程で生じる必要な資格等を習得しましょう。
【前提】コンサルタントに資格は絶対に必要か?
まず初めに申し上げておくと、コンサルタントになるために「必須の資格はない」です。例えば、医師や弁護士などのように資格を持っていなければいけない職業というわけではないです。
ただし、資格を持っていることは一定の基準以上の能力を持っているという保証であるため、転職においても有利に働く可能性があります。実際にコンサルタントとして働くこととなった際にも、クライアントに対しての能力を示す手段にもなります。
資格が影響するかはケースバイケース【プロジェクト等による】
つまり一定の資格を持つことで有利に働くこともありますが、どれだけ影響するのかというとケースバイケースとなります。
例えば戦略コンサルタントであればポテンシャルが重視されますが、MBAホルダーは重宝されます。
またコンサルタントといっても、戦略系・経営系・IT系などいくつかの領域に分割されているので、どのような領域かによって有効な資格は異なってきます。
戦略コンサルタントで使える資格
戦略コンサルタントでも、導入からプロセスの部分まで一気通関して支援する時代であり、現場間に基づいた実行支援があらゆるコンサルに求められるようになっています。そのような背景のもと使える資格は以下の通りです。
・MBA
・中小企業診断士
MBA
戦略系ファームのみではなく、外資系ファームの人事戦略など、論理的思考や経営視点を必要とするファームやチームではMBAを歓迎条件として設定するケースがあります。また海外MBAを通して取得した英語力をアピールすることにも繋がります。
リアルなケーススタディで現場解決の支援を行うプロジェクトにおいてはMBAを取得することで普段身につかない経営者目線での考え方など体系的な知識を身につけることができます。
そのような観点でも、将来的に事業会社の経営企画をといったポジションを目指す人にとっても良い資格であると言えます。
中小企業診断士
中小企業診断士を取得していると、実際にプロジェクト内で資格取得にともなって取得した業界の細かい用語を理解してクライアントの経営企画層と話す際に活用することができます。
一方でコンサルタントに求められるのは、現場感に基づいた生の感覚やソリューション提供であることは抑えておくべきです。
経営コンサルタントで使える資格
経営コンサルタントとしてキャリアをスタートする場合に、資格を取得することで保有していないコンサルタントとスタートの時点で大きく差がつけられる資格が存在します。
・公認会計士
・簿記
公認会計士
公認会計士の専門資格は会計系のコンサルタント職やM&Aアドバイザリー業務などファイナンス領域のスペシャリストを目指すために効果的です。
また公認会計士を取得している場合は、自分たちの提案が会計基準に合致していることを保証するために、いきなりクライアント先とのリレーションに加われるなど、保有していないコンサルタントと大きく差がつけられることがあるようです。
簿記
ITコンサルティングファームなどでは採用などで重視する資格において「簿記2級」の取得と回答することが非常に多いです。
背景としては会計系のクライアントを持つITコンサルタントでは、商業系の「原価計算」に関する知識の取得が必要不可欠であり、この知識無くしてはクライアントと対等に話し合うことできません。
そのため、新卒では全員必須で簿記資格を取得させたり、中途入社でも簿記2級の資格取得を推奨することが多いのです。
ITコンサルタントで使える資格
ITコンサルタントとしては、クライアントに対して、業務フローの見直しやパーケージシステムの導入支援などシステムやITに関する知識が他のコンサルと比較するとより求められる環境となっています。そこで必要となる資格としては以下の通りです。
・CIA(公認内部監査人)
・SAP認定資格
CIA(公認内部監査人)
内部監査の資格であるCIAは内部監査職やリスクアドバイザリー分野のキャリアを目指す会計士に推奨される資格です。
ただし、この資格はコンサルタントにとってもサイバーセキュリティやリスク関連のアドバイザリーを行うチームでは加点ポイントとして上記の資格が挙げられています。
また事業会社の内部監査部の採用条件では歓迎資格として公認会計士と並んでCIAの資格を上げるケースもあり、コンサルから転職する際にも採用に有利に働く資格と言えます。
SAP認定資格
日本で2000社以上が導入しているSAPERPの保守サポートが2025年で終了する「2035年問題」の影響もあり、各ファームではSAPに関するプロジェクトは受託できるものの、人数不足で十分にデリバリーできない状態が続いています。
それだけSAPの導入や開発に関わってきた人材はまさに引くてあまたの状態です。コンサルティングファームに留まらず、事業会社でもSAPの導入プロジェクトに関わるなど、パッケージのセールスではなく、導入経験のある方はSAPの導入コンサルとしてキャリアを構築することができるでしょう。
まとめ
特に中途入社、若手の年次では、このような専門知識を持っているコンサルタントではプラスに作用することも多いですが、年次が上がり30代を超えてくると資格だけではなく、より実務経験が問われるようになります。
資格取得と実務経験のバランスをとりつつ、できる限り親和性のある実践キャリアを積み上げていきたいところです。