コンサルティング未経験からコンサルタントを目指すための志望動機の伝え方を解説します。
志望動機は就職する際に必ずと言っていいほど聞かれるテーマです。コンサルティング業界は特に深堀した質問をしてくることから、付け焼刃の説明では簡単に見抜かれてしまいます。
この記事は、志望動機の作り方と伝え方について具体的に解説していきます。志望動機の作成で悩んでいる人や、これから志望動機を作り始める人はぜひ参考にしてください。
未経験からコンサルタントを目指すための志望動機の伝え方
未経験からコンサルタントを目指すときには、志望動機の作り方と伝え方が重要です。
手探り状態で進めても的外れな志望動機となってしまうので、最初に具体的なやり方を把握しておく必要があります。
ここでは、志望動機の作り方に関する具体的なステップを解説します。特に何から着手すれば良いかわからない人は必ず読んでください。
ステップ1.過去の職歴から、仕事に対するこだわりや自分の強みを洗い出す
まず、仕事でこだわっていることや自分の強みを書き出してみましょう。
思いつきで書き出すよりも、過去の職歴を分析する中で洗い出していくのが望ましいです。こだわりや大事にしていることは抽象的な印象を与えるため、具体例とセットで説明するためのネタ出しも兼ねています。
過去の仕事内容を書き出していく中で、「どの仕事でもこんなことを大事にしているな」といった共通項を書き出していければベストです。
そのうえで、「納期を守ること」「相手に不快な思いをさせないこと」というようにキーワード化しておきましょう。
こうすることで、職務経歴書や面接でも使える汎用的な言葉を持つことができます。
ステップ2.上述で洗い出したキーワードを軸に業界・企業研究を行う
次に、洗い出したキーワードとマッチする業界や企業を見つけるための情報収集を行います。
リクナビなどの転職サイトで概要をつかみつつ、企業の公式サイトでより詳細な情報をつかむという流れが効率的です。
加えて、その業界・企業で実際に働いている人に話を聞いてみることでリアルな現実を知ることができます。
SNSやビジネスマッチングサービスを利用して話す機会を作ってみましょう。
ステップ3.企業と自分の共通点を見つけ出し、企業との目的の一致を証明する
業界・企業の情報を集めた後は、企業と自分の共通点をもとにマッチする企業を探していきます。
例えば、「システムを使った業務効率化に携わりたい」人と、「システム導入を中心にクライアントの業務変革を支援する」コンサルティング企業は目的が一致していると言えます。
自分のやりたいことと企業がやっていることに不一致がないかを確認しながら、自分と企業の方向性が一致していることを説明できるよう深堀していってください。
これに加えて、自分のこだわりと企業の社風がマッチしていることまで説明できればベストです。
例えば、「素早い意思決定をすること」がこだわりだった人と、「迅速な意思決定を通じてクライアントにいち早く価値提供を行う」ことを社風とする企業であれば、社風にもマッチした人材であることが説明でき面接でもアピールできるポイントが作り出せます。
ステップ4.その企業で無ければならない理由と今後の目標をセットで伝える
目的が一致しそうな企業を洗い出したうえで、企業ごとに「なぜこの会社でなければならないのか」を検討していきます。
特に、自分がこれからやりたい目標と企業の方向性が一致していることを説明できれば説得力が増します。
例えば、「大企業だけでなく中小やベンチャー企業に対する課題解決を提供したい」と考える人と、「顧客層を広げることで事業規模を拡大していく」ことを経営戦略とする企業なら、両者の思惑が一致するので入社後のミスマッチが少ないと考えられます。
経営戦略は、企業の公式サイトにて語られるケースがほとんどです。ここまで踏み込んだ企業研究を行えるかがカギとなります。
未経験からコンサル転職の志望理由を伝える際のポイント
ここまでは自己分析と企業研究をもとにして志望業界を明確にする流れを説明してきました。
ここからは、未経験からコンサルタントへの転職を成功させるために意識したいポイントをお伝えしていきます。
いずれも転職結果を大きく左右するポイントになるので、ぜひ参考にしてください。
『結論→根拠→具体的エピソード』の順番を守る
志望理由を伝えるときは、「結論→根拠→具体的なエピソード」という順番を守るのが鉄則です。これは志望理由だけでなく、転職に至った理由や自分の強み・弱みなどすべての説明に適用されます。
特にコンサルティング業界では、話の方向性(=結論)を頭出ししたうえで理由や詳細事項を説明するというコミュニケーションが徹底されています。
よって、この順番で説明しないと違和感を持たれてしまうので、ただ話しているだけで評価が下がることにもつながりかねません。
入社後にも強く要求されるため、選考時点から意識して実践しておくのがベターです。
職種に対する志望理由も考えておく
会社に対する志望理由だけではなく、コンサルタントという職種に対する志望理由も準備しておきましょう。
これは、コンサルタントとして入社後のミスマッチがないことを面接官にアピールするためです。
コンサルタントは、形のない「サービス」を売って稼ぐ職業のため、「何をやればいいのかわからない」という理由でコンサルタントが合わない人も一定数存在します。
特にコンサルタント未経験の人は「やってみたら合わなかった」という事態になりがちであるため、面接官としても「なぜコンサルタント?」という問いに納得感が得られたうえでないと内定を出しにくいです。
面接官に安心してもらうためにも、コンサルタントに対する志望理由を準備しておくのが望ましいでしょう。
【業界別】選考を突破した職種別のコンサル志望動機サンプル
では、実際に選考を突破したコンサルティング業界に対する志望動機を見てみましょう。
IT系・戦略系・総合系ごとに志望動機をあげていますので、転職を検討しているコンサルティング会社に応じて参考にしてみてください。
IT系コンサルタントの志望理由
現職で携わっている社内システムの開発において、その技術がお客さまにも高い評価をいただいていることへの感謝の気持ちから、さらに踏み込んだお手伝いができないかと考えた次第です。
ITコンサルタントは未経験であり、SEよりもさらに高度な知識を求められると理解しております。
貴社のITコンサルタント未経験者を一日も早くお客さまの役に立たせようとする業界随一の研修制度と、顧客満足と従業員満足を追求するという理念に深く共感したため志望いたしました。
エンジニアの立場での経験はITコンサルティングにも活かすことができます。ストーリーとして違和感もなく、共感を得られやすい志望理由の1つです。
戦略系コンサルタントの志望理由
きっかけは、現職で長く営業担当をさせていただいていたお客さまが倒産するという出来事を目の当たりにしたことです。
自社製品を販売することで何らかの貢献ができていると考えていましたが、結局は売っただけでお客さまの助けになっていなかったということに気付きました。
真にお客さまを救える人間になりたいと考え、MBAを取得するなどの自己研鑽を積んでいます。顧客満足に大変にこだわる貴社の方針に深く共感し、志望した次第です。
企業の倒産を目の当たりにする機会はそこまで多くありません。志望理由としてもインパクトがあり、ビジネス経験値を有しているアピールにも繋がります。
総合系コンサルタントの志望理由
現職ではパッケージシステムの対応領域のみを担当しており、お客さまが抱える本質的な課題を解決できない場面を経験しました。
コンサルティングは、顧客が抱える真の課題を分析し助言する仕事だと理解しており、システム以外での必要な支援を幅広く行えることに共感し、志望いたしました。
総合系コンサルティングは様々な視点からのアプローチが求められます。限られた領域からステップアップしたいという熱意も伝わるでしょう。
まとめ
ここまで、未経験からコンサルタントに転職する際に意識したい志望理由の伝え方を説明してきました。
言われてみれば当たり前…という内容かもしれませんが、仕事をしながらの転職活動だとここまでしっかりとしたアクションが取れない人も多いと思います。
しかし、伝え方や考えておくべき志望理由など、ポイントをおさえることで説得力が出ますし、結果的に内定する確率も高まるはずです。
未経験でも臆することなく、コンサルタントへの転職にチャレンジしてみてください。