大手戦略系コンサルティングファームの1社、デロイトトーマツコンサルティングについて解説します。
戦略系コンサルティングファームは多数存在しますが、その中でもデロイトトーマツコンサルティングはどのような立ち位置なのでしょうか?
デロイトトーマツコンサルティングの会社概要や特徴、プロジェクト事例について見てみましょう。
デロイトトーマツコンサルティング基本概要
社名 | デロイトトーマツコンサルティング合同会社 |
設立日 | 1993年 |
事業内容 | 戦略コンサルティング、他 |
規模 | 従業員4,000名以上 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内(日本本社) |
会社HP | https://www2.deloitte.com/jp/ja.html |
デロイトトーマツコンサルティングは1993年に設立されたコンサルティングファームで、世界最大規模の会計事務所、「デロイト・トウシュ・トーマツ」の主要メンバー企業です。
拠点は世界150か国に及び、戦略系を主軸に、様々な専門サービスを展開しているグローバル経営コンサルティング会社と言えます。
「デロイト・トウシュ・トーマツ」が母体となっており、デロイトトーマツコンサルティングはデロイトの日本のコンサルティング部門というポジションです。
デロイトトーマツコンサルティングが提供するサービス
「デロイトトーマツコンサルティング=戦略系ファーム」というイメージが強いですが、その事業内容は多岐に渡ります。代表的な事業について見てみましょう。
コンピテンシーサービス
コンピテンシーサービスとはクライアント企業の業務内容に特化したサービスで、クライアント企業の抱える課題に対しピンポイントでチームを組んでコンサルティング業務を行います。
具体的にはM&Aに特化したパターンや人事・組織改革に特化したパターン、特定の部署の業務オペレーションに特化したパターン等が挙げられます。
Regulatory(レギュラトリー)サービス
Regulatory(レギュラトリー)はクライアント企業の利益改善、競争力強化を目的としたサービスです。
具体例としては、FTA(自由貿易協定)対応、関税コストの削減、業界での規制・基準に向けたコンサルティングサービスを提供しています。
デロイトトーマツコンサルティングには官公庁出身者を含む多くの専門人材が在籍しているため、質の高いソリューションをクライアント企業にもたらします。
インダストリーサービス
インダストリーサービスはクライアント企業が属する業界によって分かれるサービスです。
対応する業界は、ヘルスケア、メディア、コンシューマーサービス、電気、通信業界、航空、防衛、インフラ、自動車等、多岐に渡ります。
業務内容や領域によってチームを組んでコンサルティング業務に当たりますが、プロジェクトによって複数のチームと協業する場合もあります。
デロイトトーマツコンサルティングの年収・給与システムについて
デロイトトーマツコンサルティングの平均年収は900~1,000万円程度と見られています。20代半ばで600万円以上、30~35歳では800万~1,000万円のケースが一般的と推定されており、他の戦略系ファームに漏れず高水準です。
給与システムとしては「基本給+残業代+賞与」で成り立っていますが、残業代は月100時間を超えた場合に支給されるため、メインは「基本給+賞与」となります。ただし、深夜勤務や休日出勤の場合は別途割増賃金が発生するようです。
ただし、マネージャー以降の役職では裁量労働制に移行するため、残業という概念はありません。
また、ボーナスに関しては年2回で、職位に応じたボーナスと個人のパフォーマンスと連動したボーナスが支払われるため、同じポジションでも年収が異なります。
そのため、一定期間内にアサインされたプロジェクトでどれだけ貢献できるかが、ボーナスの支給額に影響する仕組みです。
デロイトトーマツコンサルティングの特徴・強み
コンサル業界の最前線で活躍するファームの中でも、デロイトトーマツコンサルティングはどのような特徴や強みを持っているのでしょうか。
主な特徴を3点ピックアップ致しますので、ご参照ください。
サービスの提供領域が圧倒的に広い
競合企業といっても、戦略系やオペレーション/テクノロジー系、人事・マネジメントに特化したファームなど、プロジェクトによって競合先は様々です。
ほぼ全ての領域のサービスを網羅しており、且つグローバルにカバーしているコンサルティングファームである点はデロイトトーマツコンサルティングの強みと言えます。
人材を育てる社風が浸透している
「Up or Out(昇進するか退職するか)」という言葉が根強い外資系企業の中でも、デロイトトーマツコンサルティングは一人前のコンサルタントになるまでしっかり面倒を見るという考え方が浸透しています。
ただ優しいというよりは、厳しい環境下でもしっかり社員に寄り添って育てるという社風です。主体的に行動する姿勢は不可欠と言えます。
そのため、選考段階においても「一人前のコンサルタントに成長できる素質を持っているかどうか」を重視しています。
デロイト・トウシュ・トーマツと連携することで蓄積されたネットワーク・ノウハウ
デロイトトーマツコンサルティングは世界最大規模の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツのメンバー企業であるため、質の高いネットワーク・ノウハウを蓄積しています。
メンバー企業間で連携することで、幅広い人的ネットワークと高い専門性を最大限活かし、他の追随を許さないようなコンサルティングサービスを提供することが可能です。
デロイトトーマツコンサルティングでのキャリアパス・トレーニング制度
デロイトトーマツコンサルティングのコンサルタントには、「クライアントと共に目標を達成すること」を掲げており、主体的に行動し提案・実行・達成を成し遂げる人材が求められます。
厳しくも一人前のコンサルタントを育てるデロイトトーマツコンサルティングのキャリアパスやトレーニング制度について見てみましょう。
デロイトトーマツコンサルティングのキャリアパス
デロイトトーマツコンサルティングでは以下の6つにコンサルタントのランクが分けられています。
●ビジネスアナリスト
●コンサルタント
●シニアコンサルタント
●マネジャー
●シニアマネジャー
●パートナー・ディレクター
各ランクに求められる能力等を満たし、アサインされたプロジェクトで成果を上げることで次のランクに昇進することが可能です。
デロイトトーマツコンサルティングのトレーニング制度
デロイトトーマツコンサルティングは、「コンサルタントはプロフェッショナル業」であるという考えから「主体性と責任をもって自分で目指すべきキャリアを描く」という方針を持っています。
トレーニング制度としてはプロジェクトの中で学ぶOJTと、仕事を離れた場でのOFF-JTがあり、具体的には以下のようなプログラムが存在します。
●入社時階層別トレーニング
●グローバルトレーニング
●分野別トレーニング
●基礎・開発トレーニング
各スタッフのスペックや状況、求めるキャリアに応じて最適なプログラムを受講できる点が魅力的です。
デロイトトーマツコンサルティングのプロジェクト事例
最後に、数ある中でも代表的なデロイトトーマツコンサルティングのプロジェクト事例について紹介致します。
実際にコンサルタントとしてプロジェクトに参画し、目標を達成した際の達成感や喜びとは図り切れないものです。
デロイトトーマツコンサルティングが実際にどのようなビジネスに携わっているのか、参考にしてみてください。
デジタル技術を活用した新規事業の立ち上げ支援
欧米の大手エネルギー企業の投資動向調査や、世界中で注目を集めるスタートアップ企業を抽出したうえで、日本の電力・ガスバリューチェーンにおける連携シナリオを構築した事例です。
このプロジェクトは関わる部門が多く、様々なバックグラウンドを持つメンバーが参加していたため、新規事業の進捗速度の遅さが課題として挙げられていました。
コンサルタントチームとしてはPM、技術担当、事業分析担当、PMO2名の合計5名で構成され、スタートアップ企業の提携意向の個別調査、現地訪問による交渉支援にも携わっています。
結果として従来では考えられないスピードで事業が動き始め、徐々にクライアントが主導して進んで行くような体制を構築できたようです。
まとめ
デロイトトーマツコンサルティングは外資系コンサルティングファームの中でも人材を手厚く育てる社風が強く、経験が浅い方にとってもしっかり腰を据えて働くことができる環境です。
これまで培った経験を活かしつつ、新しくコンサルタントとしてのキャリアに挑戦したい方は、改めて公式サイトも確認しつつ検討されてみてはいかがでしょうか。