現在、日本にはさまざまなコンサルティングファームがあり、それぞれのファームは異なった特徴を持っています。
そのため、就職や転職する際にはそれぞれの特色をしっかりと把握することが必要です。
今回は多数あるコンサルティングファームから「ATカーニー」について概要や特徴をご紹介します。
ATカーニーについて詳しく知りたいとお考えの方は、ぜひご確認ください。
ATカーニー基本概要
社名 | A.T. カーニー株式会社 |
設立日 | 1972年 |
事業内容 | 経営コンサルティング |
規模 | 従業員4,000名以上 |
本社所在地 | 東京都港区赤坂(日本本社) |
会社HP | https://www.jp.kearney.com/ |
ATカーニーは1926年にアメリカ合衆国のシカゴで設立されたコンサルティングファームです。
現在では世界41か国に拠点があり、従業員数は約4,200名とファームのなかでも大きな規模の会社になっています。
本社所在地は設立地と同様のアメリカ合衆国のシカゴです。日本では東京都港区に拠点を設けており、国内の従業員数は約200名です。
ATカーニーが提供するコンサルティングサービス
では、ATカーニーではどのようなコンサルティングサービスを提供しているのか確認してみましょう。
サービス①調達
調達は多くの企業が必要とするプロセスです。そして、調達を効率化することは企業の利益率に深く関わってきます。
ATカーニーでは即効性のあるコスト削減を提案し、クライアントの持続的成長を支援しています。
具体的な施策としては調達パフォーマンスの改善や調達プロセスの改革が主となっています。
サービス②デジタルトランスフォーメーション
近年の企業改革はデジタルの力が必要になることが多いです。そこで、ATカーニーでは現状分析、ビジョン策定、実行支援とDX化を一貫して支援しています。
また、直接的な支援だけでなくデジタル・ビジネス・フォーラム(DBF)を開催し、経営者の意識を変えるためのイベント開催をおこなっていることも特徴的です。
サービス③M&A
企業の合併買収であるM&Aは企業改革の戦略として注目が集まってきている手法です。
そして、適切なM&Aには他業界への知識や買収後のビジョン策定が必要不可欠です。
ATカーニーは過去の実績や情報力から最適な取引相手を探すことができ、クライアントのさらなる発展を手助けしています。
サービス④オペレーション・パフォーマンス
各ファンクションのオペレーションが整っているかどうかは戦略実行の際の効果を大きく左右します。
つまり、戦略実行のためにはオペレーションを整える必要があるのです。
ATカーニーではクライアントの持続的な成長を掲げており、新たな制度や仕組みを提案することでオペレーションの改革をおこなっています。
サービス⑤リーダーシップ・組織改革
コンサルティングをおこなったとしてもその効果が一時的なものであればクライアントの持続的な成長を支援することはできません。
そこで、ATカーニーではクライアントが成長し続けるようにリーダーシップや組織改革といった人材に目を向けたコンサルティングもおこなっています。
サービス⑥グローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシル(GBPC)
GBPCは政策立案・政策提言をおこなうシンクタンク部門になります。
このようにATカーニーのクライアントは企業だけでなく、国や市などの自治体も含まれているのです。
また、ATカーニーのシンクタンク部門では提言や報告書作成だけでなくフォーラム開催などもおこなっています。
サービス⑦アナリティクス
戦略立案・コンサルティングの際には経済状況や過去の事例など多くの情報が必要です。
また、マーケティングの際に企業がデータを必要としている場合もあります。
そこで、ATカーにでは情報を分析するアナリティクスをサービスとして展開しており、クライアントへ適切な情報分析を提供しています。
ATカーニーの年収・給与システムについて
ATカーニーの平均年収は1,361万円(2022年6月時点)です。こちらの年収は大手コンサルティングファームの中でも高い水準であると言えます。
ただし、こちらの値は公式発表ではなく口コミなどから算出したものであるため、その点にはご注意ください。
給与システムは他の企業と同様に、基本給+ボーナスとなっています。平均年収は役職によって異なり、それぞれの値は以下の通りです。
・ビジネスアナリスト:600万円~800万円
・シニアビジネスアナリスト:800万円~1,000万円
・アソシエイト:1,300万円~1,700万円
・マネージャー:1,700万円~2,500万円
・プリンシパル:3,000万円~
・パートナー:5,000万円~
ATカーニーの強み
ATカーニーは他のコンサルティングファームと比べても下記の2点が強みとなっています。
強み①目に見える成果にこだわる
コンサルティングは実物がないサービスであるためクライアントが成果を実感しにくいものです。
しかし、ATカーニーでは「tangible Results(目に見える成果)にこだわる」を経営理念として掲げており、数値としての価値提供を徹底しています。
こちらの目に見える成果は前述すべてのサービスに反映されている強みです。
強み②クライアントとの協同作業
ATカーニーは常駐型のプロジェクト推進スタイルが伝統的となっています。
外からの提案で終わってしまうと成果が得られたのか、方向性が正しいのかを図ることはなかなか難しいです。
そこでATカーニーでは常駐型スタイルを取ることによってクライアントと密接に関わり合い、価値を提供できているのかを常に意識し続けています。
これら2点の強みからATカーニーはリピート率が高くなっています。
ATカーニーでのキャリアパス・トレーニング制度
キャリアパス・トレーニング制度は働くうえで非常に大切になるものです。これらについて確認し、ご自身の方向性とマッチしているのか確認していきましょう。
キャリアパス
キャリアパスは年収項目で示した通りになり、それぞれの到達年数は以下のようになっています。
ただし、こちらはあくまでも目安であり、実際は個人差があることにご注意ください。
また、ATカーニーはUp or Outが頻繁に行われている企業でもあるため、下記の年数になっても上がらない場合は解雇されてしまう可能性があるため注意が必要です。
・ビジネスアナリスト:~1年
・シニアビジネスアナリスト:2年~3年
・アソシエイト:3年~5年
・マネージャー:5年~8年
・プリンシパル:実力次第
・パートナー:実力次第
トレーニング制度
ATカーニーの代表的なトレーニング制度は以下のようになっています。
・入社時集中トレーニング
・昇進時トレーニング
・スキル別トレーニング
・プロジェクトマネジメントトレーニング
・ナレッジ・シェアリング・プログラム
・オンライン・トレーニング・プログラム
このように各役職、各場面で必要なスキルを学ぶことができるようになっています。
さらにプロジェクト公募制度やMBA留学、テクノロジー留学など会社外での学びの場も積極的に提供しています。
ATカーニーでのプロジェクト事例
ATカーニーで実際におこなわれたコンサルティング事例は以下のとおりです。
その他にも多くの事例が公開されているため、自分の興味のある分野の事例があるのかどうか調べてみましょう。
事例①NEXT TOKYO
NEXTTOKYOは次世代の東京を作ろうといった取り組みであり、2020年の東京オリンピックに向けて進められたプロジェクトです。
本プロジェクトでは東京は①文化創造産業が集約②先端技術産業が集約③ダイバーシティな人材の集約、が特徴的であると分析しました。
そして、最終的にはこれらを活かすために就労ビザの緩和、ダンス規制の撤廃な官公庁と協働して大規模プロジェクトを進めてきた事例があります。
事例②電力会社への戦略立案
本事例では火力の代わりにどのようなエネルギーを提供すべきかといった相談からプロジェクトが始まりました。
そして、これは現在のことではなく未来に向けてのプロジェクトであるため、今後の10年間の収益シミュレーションといったものをおこなっています。
このようにATカーニーのクライアントは大企業や官公庁などの公的機関が多くなっています。