コンサル業界への就職や転職について調べていくと「日系コンサル/外資系コンサル」といった言葉がよく見受けられます。
これらはどのように分けられ、どのような特徴があるのでしょうか。実は、コンサル業界への就職・転職を成功させるためには日系と外資系の違いは明確に知っておかなければなりません。
そこで、ここでは日系コンサルと外資系コンサルそれぞれの特徴や違いについて解説します。コンサル業界での活躍を目指している方は、ぜひご確認ください。
日系コンサルティングファームの特徴
まず、日系コンサルティングファームとは主な資本先が日本企業であるコンサルティングファームを指します。代表的なファームは以下の通りです。
・アビームコンサルティング(総合系)
・野村総合研究所(シンクタンク系)
・Dirbato(IT系)
・ドリームインキュベーター(戦略系)
日系コンサルティングファームであるかどうか分からない場合はIR情報などから主資本がどこであるのかを確認してみましょう。
まずは日系コンサルティングファームの特徴について解説しますので、ぜひご確認ください。
基本概要(組織文化、制度等)
日系コンサルティングファームは日本企業の習わしを踏襲していることが多いです。そのため、組織文化はチームで1つのことに取り組み、助け合うといった色が強くあります。
また、新卒や未経験で入社した場合はしっかりとした育成カリキュラムを組み、そのカリキュラムによって一流のコンサルタントに育てるといった文化が強く残っています。
コンサルティングスタイルとしては「顧問型」が多いです。顧問型とはクライアントと長期的な契約を結び、クライアントの顧問として都度コンサルティングをするといったスタイルになります。
ただし、近年ではクライアントの1つのプロジェクトに参画する「プロジェクト型」のコンサルティングスタイルも増えてきています。
プロジェクト型か顧問型かにこだわりを持っている方は入社を考えているファームがどちらを重視しているのかを確認しておきましょう。
拠点場所としては国内に点在していることが多いです。とくに、クライアント数の多さから東京に本社を構えているファームが多くなっています。
勤務地に希望がある場合は各社で拠点が置かれているかどうかの確認が必要です。ただし、日系ファームのなかでもアビームコンサルティングのように大きな企業であれば海外拠点を増やしていることもあります。
給料、労働環境
日系ファームは日本企業の考えを踏襲しているため年功序列であることが多いです。
ただし、他の業界と比べると実力によって給与が上げられるため年齢が低くとも高い給与を受けることもできます。役職ごとの年収目安は以下のとおりです。
・アナリスト:500万円前後
・コンサルタント:600~900万円
・マネージャー:900~1500万円
・パートナー:2000万円~
日本の平均給与が461万円であるため、入社後すぐの役職でも同等の給料がもらえることから日系コンサルティングファームは給与が高いと言えます。
労働環境としては7時間程度であり、残業時間は50時間ほどであることが多いです。
コンサルティングは高いレベルを求め続けられるため、他業種と比べると残業が少し長い傾向はあるものの、近年では労働環境の改善が求められていることから残業時間が減ってきている現状もあります。
ただし、コンサルタントの労働環境はアサインされたプロジェクトによってかなり異なるためご注意ください。
外資系コンサルティングファームの特徴
外資系コンサルティングファームは主な資本が外国(外国人投資家の株式保有率が3分の1超え、出資比率が10%以上の外国株主がいる)であるコンサルティングファームを指します。代表的なファームは以下のとおりです。
・PwC Japanグループ(総合系)
・ボストンコンサルティンググループ(戦略系)
・アクセンチュア(IT系)
・日本IBM(IT系)
外資系であるかどうかはIR情報などから区別することが可能です。では外資系コンサルティングファームはどのような特徴を持っているのか確認していきましょう。
基本概要(組織文化、制度等)
外資系コンサルティングファームは外国の資本が多いため、組織文化も外国のようなことが多いです。
外資系コンサルティングファームは基本的に「Up or Out」という文化に基づいています。
これは「昇進するか、でなければやめろ」といった意味合いであり、日本企業と比べるとやや厳しいです。
この文化により一定期間で昇進ができない場合は退職もしくは仕事を任せられなくなります。このため、常に成長し続けたいと考えている方でないと合わないことが多いです。
コンサルティングスタイルとしては「プロジェクト型」が多く、クライアントの1つの課題に対してチームを組み、それが解決すると解散といった形になります。
プロジェクトの期間は、数か月から数年とかなり差があります。
拠点は世界中にあることが多く、アクセンチュアであれば世界50か国200都市以上あり、従業員数は約69万人となっています。
外資系はこのように世界中に拠点を持っていることから海外転勤が比較的おこないやすいです。そのため、就職や転職では英語力がかなり重要視されます。
給料、労働環境
外資系コンサルティングファームは実力があれば役職が上がり、給与も上がります。
評価は年功序列ではなく生産性を徹底的に評価し、それに伴ってなされていきます。役職別の年収目安は以下のとおりです。
・アナリスト:500万円~800万円
・コンサルタント:900万円~1300万円
・マネージャー:1400万円~2000万円
・パートナー:2500万円~
外資系コンサルティングファームは入社直後から日本の平均給与を超えるため、給料を最重視する方にとってはおすすめの業界になります。
また、外資系はインセンティブが設けられていることが多いため、稼ぎたい方はどんどん稼ぐことができるといった環境です。
労働環境としては残業時間が100時間以上になることもあり、定時で必ず帰りたいといった方には向いていません。
しかし、外資系ファームの動きとして残業時間を減らしていこうといったものがあり、徐々に改善はされつつあります。
また、日本企業の問題であるサービス残業はなく、しっかりと給与は支払われることが多いです。
外資系と比較した日系コンサルティングファームの魅力
日系コンサルティングファームは外資系と比べると従来の日本型の働き方であるため、比較的ゆっくりと業務がおこなえます。
しかし、それでもコンサルティング業界は他業種よりも多忙であることにはご注意ください。
また、魅力としては教育制度が挙げられます。前述のとおり日系コンサルティングファームはじっくりと人を育てていく志向が強いため、コンサルタント未経験者や体系的に技術を学びたいといった方には日系のほうがおすすめです。
日系と比較した外資系コンサルティングファームの魅力
外資系コンサルティングファームは日系と比べると給与が高く、スピード感が早いです。
そのため、常に成長し続けることができる方に向いています。また、海外への転勤も頻繁におこなわれているため海外転勤を目指している方にもおすすめです。
そして、外資系コンサルティングファームはチームとしてではなく個人で評価される傾向があります。
そのため、チームで1つの価値を提供するのではなく、個人として評価されたいといった方におすすめです。
まとめ
今回は日系コンサルと外資系コンサルそれぞれの特徴や違いについて解説しました。
日系コンサルと外資系コンサルは異なる特徴があり、自分に合っているものはどちらであるのかを考えていかなければなりません。
まずは自分の性格やキャリアプランを明確にし、どちらのほうが将来のためになるのかをしっかりと考えていきましょう。
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