今回は中途採用で戦略コンサルタントの内定を勝ち取るための志望動機の作り方についてです。
戦略コンサルタントは裁量が大きく自身の能力も高めることができるお仕事です。また、それに伴い責任感も大きく、得られる収入も高い職種と言えます。
新卒では事業会社に入社した方の中にも、社会人経験を経ていく過程で「戦略思考を学びたい」「戦略系の職種につきたい」と考えた方は多いのではないでしょうか。
この記事では戦略コンサルタントとして転職を考えている方に向け、職種の基礎を踏まえたうえで、内定を勝ち取るために必要な志望動機の作り方を解説しています。
中途採用で戦略コンサルタントを志している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
戦略コンサルタントの仕事内容は?
戦略コンサルタントに転職を考える前に先ずは、戦略コンサルタントとは何か、どのような仕事内容かを理解する必要があります。
具体的な仕事内容としては、クライアント企業が抱えている経営課題に対し、第三者視点で課題の解決策を提示・サポートすること等が挙げられます。
・業界、競合他社等の動向をリサーチ
・クライアント企業の現状をヒアリング
・ヒアリング内容に基づいて状況を整理
・最善の課題解決策を打ち出し、提案
・提案内容をスケジューリング、実行
クライアントが置かれている環境を客観的に理解し、どんな理念のもと何のサービスを提供していくのか、そのためにはどのような戦術を取るべきかを提示していく仕事となります。
クライアントの将来を左右する仕事であるため、責任は重大です。
どのような人物が戦略コンサルタントに適している?
繰り返しになりますが、戦略コンサルタントは責任重大です。また、クライアントはコンサルタントへ高額な費用を掛けているため、その費用を超える効果を出さなくてはなりません。
このような重圧の中で仕事をしていくため、軽い気持ちで仕事と向き合っている方は、まず向いていないと言えます。
プロフェッショナルな精神を持った人物でなければ、成果も出せずクライアントの期待に応えることができません。
戦略コンサルタントとしてスキル面では以下のようなスキルが必要とされています。
リサーチ力
クライアントのおかれている立場を明確にするためにも市場調査や、自社にない顧客データを調べる必要があります。
就業時間以外でもアンテナを張り、リサーチを怠らない人材はコンサルタントとしても重宝されるでしょう。
論理的思考力
主張を成り立たせるための根拠を述べる際に必要となります。
施策を提案する際にも、クライアントを納得させる根拠を具体的且つ分かりやすく明示しなければ、提案が通りません。
ファシリテーションスキル
定めた戦略を遂行するには多くのメンバーを巻き込みます。その際に、プロジェクトが遂行するよう参加者の合意を取りながら意のままに進行するスキルが必須となります。
自ら積極的に発言する、プロジェクトメンバーを積極的に巻き込んでビジネスを進めていくことができる人材は活躍しやすいです。
専門性
専門領域に関する知見を有し、課題解決に関する仮説をたてられなければクライアントが抱える課題を解決することは難しいと言えます。
クライアント企業の担当者にも劣らないレベルの専門性を身に付けられるように、より貪欲に吸収できる人材はコンサルタントにも適していると言えるでしょう。
戦略コンサルタントの選考を突破する志望動機のポイント
戦略コンサルタントがどのような仕事で、どのような人物が適しているかをイメージしたうえで挑戦することを決意した後は、コンサルティングファームに入社するための選考を突破しなくてはなりません。
特に、志望動機は自分自身をアピールするためにも、「何故、入社したいのか」を考え、頭の中を整理していく上でもしっかりと準備が必要です。
選考を突破するのに重要な志望動機のポイントを5つご紹介します。
ポイント1.端的且つロジカルな構成を心掛ける
志望動機は、簡潔に要点をおさえたもので且つ、論理的な構造ができ上っている状態が望ましいです。
論理的な構造を組み立てられる方は多いと思いますが、簡潔に述べる際に色々情報を追加したくなる方も多いと思います。そのような時にはクリティカルシンキングの活用がおすすめです。
クリティカルシンキングとは、自分が普段無意識的にとっている行動や考え方を意識化し、客観的に可視化することです。これにより、自分が行いたい主張に論理的な違和感がないか、構造的に抜け漏れがないかを確認することができます。
たとえば、「将来的に日本社会貢献をしたいから入社をしたい」という主張を述べたい場合、この主張を成り立たせる根拠が必要となります。根拠として「現職で営業をしていると、地域によっては格差があり、収入が少ない人を目にしたから」があるとします。
この根拠だけでは物足りないと感じませんでしょうか。実は、「収入が少ないことは不幸だ」という決めつけが隠れているため、聞き手からすると論理的ないと感じてしまいます。
自分の主張と根拠を一度可視化し、自分の中だけの常識で根拠を上げていないか客観視することをお勧めします。
ポイント2.戦略コンサルに活かせる経験・スキルをアピールする
「前職で営業として9年間従事し、最優秀賞を取った経験が貴社でも役だちます」というアピールだとすこし物足りません。
どのような工夫をしたことで、どのくらい規模の営業部で最優秀賞をとれたのか、という根拠を付け加えた方が、聞き手もイメージがしやすくなります。
たとえば、「自社の商品を紹介するのではなく、顧客が抱える悩みから課題を特定し、自社商品で解決できることを説明しました。その結果、まずはお試しからという契約に繋がり、業務を通じて新しい課題も見えてきたので継続受注につながりました」のように、どのようなプロセスを踏んだかも説明するとアピールになります。
ポイント3.戦略コンサルタントとして成し遂げたいこと、ビジョンを明確に伝える
戦略コンサルタントになることがゴールではなく、その先に目指していること、つまり、目的と目標を明確に伝えるべきです。
たとえば、日本の社会貢献をしたいという目的があるとしたら、それを果たすために、戦略コンサルタントになり、多様な企業の課題を解決し活性化することが目標となります。
入社すること、戦略コンサルタントになること自体が目的となっている場合は、書類審査や面接を突破することが目標になってしまいます。その場合、自分自身の行動も変化してしまいますし、聞き手からは一段下がった内容に聞こえてしまいます。
ぜひ、目的と目標を意識して志望動機を整理してみてください。
ポイント4.他者と差別化できるストーリーを表現する
戦略コンサルタントの職種には日々多くの方がエントリーをしています。ライバルが多いだけでなく、採用される人数も少ないので競争率は自ずと高くなります。
大勢の応募者の中に埋もれないように差別化できる強み、言い換えるとご自身の専門性を志望動機に盛り込むことをおすすめします。
データアナリストや、業界の知識など他者にないであろう強みを主張してください。
ポイント5.応募企業ごとにベストな志望動機を用意する
戦略コンサルタントという職種は同じでも、コンサル企業は多数存在します。
戦略コンサルだけに特化している企業もあれば、総合コンサル会社の一部に戦略コンサルサービスがある企業もあります。
また、IT業界に特化した戦略コンサル企業、中小企業に特化した戦略コンサル企業など、企業ごとでの特色が異なります。
応募企業の特色をふまえて、的外れなアピールにならないよう個社毎に志望動機を用意してください。
手間にはなりますが、入社するという目標達成には必要な戦術となります。
戦略コンサルの選考で通らない、志望動機のNG例
ポイントを押さえたうえで、実際に作成してみると自分では中々判断できないこともあります。
その際には以下にあげるNG例を参照しながら自分が作成している志望動機と照らし合わせてみてください。
構成にこだわり過ぎて熱意が伝わらない
一見するとロジカルな文書で簡潔に書かれているのですが、構成にこだわり過ぎるあまり、簡潔に書きすぎて専門用語の意味が分からないまま話が進んでしまうことがあります。
自分が述べたい主張と根拠を一度並べ、考えを整理して文章を推敲していく必要があります。
自己成長にこだわった志望動機
コンサル入社後のビジョンで3~5年後には独立しますといった主旨の志望動機を考えている方も多くいらっしゃると思います。
確かに、3~5年の間に力をつけて卒業する方もいらっしゃいますし、コンサル企業も卒業生積極的に応援している企業もあります。
しかし、入社して頂く方は同社にとっても貴重な戦力なので、卒業が前提ではなくアソシエイトから始まりマネージャーを目指し、マネジメント能力も高めていくといった主旨も入れるべきです。
入社後も長く働き会社に貢献してくれる人材であるというイメージを与えるのが望ましいです。
深掘りされた時に答えられない志望動機
志望動機は事実をもとに自分の頭の中を整理して、端的且つロジカルに伝えることが前提となります。
事実の誇張や、論理的に合わせるための過度な表現をすると面接時に聞かれると言葉に詰まり、何が言いたいのか伝わりづらくなってしまいます。
事実を曲げずに自分が積み上げてきた経験をもとに考えを整理することをお勧めします。
まとめ
戦力コンサルタントはクライアントの将来を左右する責任重大な仕事です。その分、収入だけでなくスキルアップにもつながるため目指す方が多い職種です。
選ばれる人材になるためには、自分の中で思考を整理し、相手に合わせた主張と根拠を述べていく必要があります。
主張と根拠のセットを眺めながら取捨選択を行えば、面接時に深堀されても、頭の中でどこの部分を聞いているか整理して話しを聞きやすく、返答も的確になります。
ぜひ、事実にもとづき整理をしていき、自分の中の価値を聞き手にアピールしてみてください。