数あるコンサルタント業界の中でも市場規模の大きいM&Aコンサルタントについて解説します。
M&Aとは、「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の略で企業の合併や買収を指します。ではM&Aコンサルタントは、どのような仕事なのでしょうか。
M&Aコンサルタントの特徴や業務内容について知りたい方は必見です。
M&Aコンサルタントとは
M&Aコンサルタントとは、M&Aに関する相談や合併や買収企業の調査、交渉、実行に向けての提案書作成、資金調達など様々な面からM&Aに関する業務をサポートする仕事です。
M&Aをおこなうためには、法律や経済など多くの専門知識が必要になります。M&Aコンサルタントは、これらの業務に精通しておりM&Aを企業が実施するにあたってリスクの低減や効率的におこなえるという特徴があります。
規模の小さいM&Aであれば、企業ごとに論点を洗い出し調査することも可能ですが、合併や買収企業の規模が大きくなればすべてを把握することは困難です。
そのため、M&Aをおこなうときは、M&Aコンサルタントを入れるのが一般的です。
M&Aコンサルタントとアドバイザーの違い
M&AコンサルタントとM&Aアドバイザリーと呼称されることがあります。両者は、ほとんど同じ意味を指しますが、M&Aコンサルタントは「サービスを提供する人」でM&Aアドバイザリーは「提供しているサービス」を指します。
オススメ!!M&Aコンサルタント会社5選
M&Aコンサルティングをおこなっている企業を5つ紹介します。M&Aをメインに起業した会社もあれば、監査法人から派生してできた会社もあるので、それぞれで強みが異なってきます。
・KPMG FAS
・デロイトトーマツFAS
・フロンティア・マネジメント
・プルータス・コンサルティング
・PwCアドバイザリー
KPMG FAS
KPMG FASは、世界で約150ヶ国以上で、「会計監査」「税務」「アドバイザリー」の事業を展開している会社です。国内外において企業のM&A、事業再生などを支援しており企業内不正や不祥事調査などをおこなっています。
デロイトトーマツFAS
デロイトトーマツFASは、ファイナンシャルアドバイザリーファームとして最大級の陣容があります。国内外において企業のM&A、クライシスマネジメント、再生事業、リストラクチャリングなどをおこなっています。
フロンティア・マネジメント
フロンティア・マネジメントは、法律や経済、金融など多様なバックグラウンドをもった専門的な人たちで構成されています。業務内容は、ファイナンシャル・アドバイザリー事業を中心に経営コンサルティングや再生事業などをおこなっています。
プルータス・コンサルティング
プルータス・コンサルティングは、有価証券と公正価値評価の設計を強みにした資本策定を中心に展開しているコンサルティングファームです。業務内容は、新株予約権や社債、株式の評価などをおこなっています。
PwCアドバイザリー
PwCアドバイザリーは、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPwCの存在意義に基づき、経験やバックグラウンドが豊富な人材を活用して経営戦略の策定やM&A、事業再生などをおこなっています。
M&Aコンサルタントの業務内容
M&Aコンサルタントの業務内容を大きく分けると次の5つに分類されます。
・M&A戦略の作成・決定
・M&A対象企業の選定
・M&A交渉に関するサポート・アドバイス
・デューデリジェンスの実施
・契約書の作成
M&A戦略の作成・決定
M&Aを開始するにあたって、まずは、戦略を策定します。企業がなぜ売却や合併をするのかどのような会社を買収するのか、どのようなスケジュールで進めていくのか決めて弁護士や税理士を含めてスキームを検討します。
M&A対象企業の選定
M6A企業の選定は、スキームを元に企業を選定してリスト化します。リスト化した企業の選定にあたってM&Aコンサルタントは、コネクションを使い会社側の今後の戦略や事業計画をヒアリングします。
M&A交渉に関するサポート・アドバイス
M&Aする対象の企業の選定が完了すると実行に向けて交渉が開始されます。M&Aは、専門用語が多く使われるので経験豊富なコンサルタントが介入して効率的に進めていきます。
デューデリジェンスの実施
M&Aでは、相手企業の調査が必要になり、それをデューデリジェンスと呼びます。デューデリジェンスは、財務、経理、人事、法務、労務、ITなど各分野の専門家から意見をもらい総合的に判断していきます。
契約書の作成
デューデリジェンス完了後に契約書の作成・交渉をおこないます。デューデリジェンスで発見された事項やリスク低減に伴う取り決めをおこない弁護士を仲介して契約書を作成します。
M&Aコンサルタントの資格とスキル
M&Aコンサルタントは、業務内容が多岐に渡るため幅広い専門的な知識を身に着けている必要があります。
M&Aコンサルタントにおすすめの資格として「M&Aアドバイザリー」や「M&Aスペシャリスト」などM&Aに特化した資格があります。
この資格は、プロセスごとに必要になってくる弁護士や公認会計士、税理士の意見を総合的に判断してまとめあげるスキル証明になります。
M&Aコンサルタントの年収
M&Aコンサルタントの年収は、基本給に加えて「成約額」「成約件数」「インセンティブ率」の掛け算で決まります。
M&Aコンサルタントの平均年収は、公開されていませんが求人情報を見ると基本給が360万円から450万円となっていることが多いです。
しかし、この基本給にインセンティブ等が加わるので人にもよりますが、実際は1000万円近い金額が年収として考えられます。
まとめ
M&Aコンサルタントの業務内容や年収に関して紹介しました。
M&A業界は、専門的な知識が幅広く必要になり残業の頻度も多くなりますが、企業を1つにして大きい企業に成長させているというやりがいもあります。